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外国人と結婚すれば日本人でなくなるの?ここですこし歴史のおべんきょうを。

国際結婚を見る目というのは、歴史的な背景があって少しずつつくられてきたものです。

日本には、いったいどんな国際結婚の形があったのでしょう。

国が法律で規定していった国際結婚をふりかえって、そのときのようすを想像してみてください。

◆明治以前◆

徳川幕府が鎖国を始めたとき、イギリス人やオランダ人の日本人妻や子どもたちはジャガタラ(今のジャカルタ)へ、ポルトガル人やスペイン人との混血児たちもマカオへ追放されたということです。

鎖国の前後に日本へやってきた外国人は男性であったから、そのときの組み合わせは日本の女性と外国の男性がほとんどでしょうが、数えるくらいわずかだったにちがいありません。

◆明治憲法のとき◆

明治になって、1873(明治6)年、はじめて日本国籍についての布告がなされました。

これは「内外人婚姻法規」とよばれていたように、外国人との結婚に関するものでした。

ここでは、外国人と結婚するのに政府の許可がいり、外国人男性と結婚する日本人女性は日本の国籍を失い、日本人男性の妻となる外国人女性は日本の国籍を得るとありました。

これが1899(明治32)年の法律としての国籍法に引きつがれました。

外国人の妻となる日本人女性は日本の国籍を失い、日本人の妻となる外国人女性は日本国籍を得るという男性中心の夫婦国籍同一主義が採用されました。

また、それらの子どもについては、日本人の父を持つ場合のみ日本国籍をみとめました。

この法律が戦後の民法改正まで続くのですから、いまでも外国人と結婚すれば日本人でなくなると思っている日本人女性がいるのも不思議ではありません。