国際結婚の体験記「ベルギー」その1

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日本政府発行のパスポートを持っているかぎり、それが私の国籍証明だとは思っていたが、その根拠が戸籍であるということには、まだ気づいていなかった。

とにかく私は日本人として、そして夫はブラジル人として、ベルギーの役所へ必要な書類を届け、結婚したい旨を伝えた。

数日後、ルーヴァンの町だけに配られる新聞の片すみに、近く結婚する人の名が載り、私たちの名前もそこにあった。

名前を発表するのは、二重婚、あるいは財産分配の問題などを避けるためという。

いよいよ結婚の日。

ベルギーは役所でも結婚式をする。

私はサインだけすればいいめだろうと考えていたが、それでも少し着飾って出向いた。

ベルギーの人はほとんどカトリックなので役所で結婚式をし、その後、教会でまた結婚式をする。

私たちは宗教の儀式はやらないことにしていたので、軽い気持ちでいた。

が、15世紀に建てられたゴシック様式の立派な市役所に一歩足を踏み入れると、多くの友達の参列もあり、なんだか気持ちが引きしまるような思いだった。

みんながぞろぞろ入っていった部屋が、結婚式用のものかどうか確かめなかったが、参列者のためにも椅子が並べられてあり、係官を前にして新郎、新婦がすすみ出る場所が設けられていた。

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